牙城への潜入作戦

深夜 クッバ城 城門前
正男
正男
「……
 ついにこの時が来たか。」
キノヒオ
キノヒオ
「やはり私たち以外の人間は誰一人いませんね…。」
正男たちがあたりを見回しても昼間いた門番や兵士は誰も見えなかった。
浩二
浩二
「…まずどうやってこの門を越えようかな…」
正男
正男
「おっ。
 浩二もついにやる気を出してくれたようだな!」
浩二
浩二
「まあさすがにここまできたら
 気を抜いてられないからね。」
正男
正男
「って‥‥‥今まで気を抜いてたのかよ!」
浩二
浩二
「ははは。
 まぁね。」
正男は浩二がそれほど緊張していないことが分かり、安堵の息を漏らした。

正男
正男
「…さてまずこの巨大な門をどう越えるかだな。」
キノヒオ
キノヒオ
「門の高さは私の身長で5人ほどはありますね…。」
カルラ
カルラ
「…正男、ここに鉤付きロープがあるからこれを使って。」
カルラはどうやら車に積んであったのを取ってきたらしい。
正男
正男
「鉤付きロープ?
 こんなもんどこで…。」
カルラ
カルラ
「これは私が事前に用意していたものよ。」
正男
正男
「へーっ。
 じゃあこれがあればこんな門、楽勝だぜ!
正男たちはカルラから手渡された鉤付きロープを使ってクッバ城の正門をなんとか越えた。
キノヒオ
キノヒオ
「ふぅー。やっと門を越えられましたねー。
 次は中の建物にどうやって忍び込むかですが…」
正男
正男
「この壁見た感じ結構分厚そうだなー。
 俺達の力では壊せないかも。」
カルラ
カルラ
「それならこれを使って。」
正男
正男
「これは…?」
カルラ
カルラ
「これらは城の壁を破壊するための爆弾よ。
 投げたらすぐに爆発するから気を付けてね。」
浩二
浩二
「爆弾って…ちょっと物騒だな。」
正男
正男
「てゆーか門越えるよりは
 これ使えばよかったんじゃないか?」
浩二
浩二
「兄さん、さすがに爆弾なんてやっかいなものそう何個も使えないでしょ。
 今寝ている兵士たちも音で起きちゃうかもしれないだろ。」
浩二は正男に呆れた様子で説明した。
カルラ
カルラ
「浩二くんの言うとおりよ。
 これを使えるのは…せいぜい5回までかな。
 でももし6回以上使った場合は‥‥‥」
キノヒオ
キノヒオ
「兵士たちが起きてきて
 私たちを捕まえに来るというわけですね。」
正男
正男
「ひょえーーーーーーー
 って一応不法侵入だから当然ちゃあ当然か。」
カルラ
カルラ
「そのとおりよ。
 だから正男、くれぐれも注意してね。」
正男
正男
「へいへい。」
正男
正男
「というわけで…早速行動開始とするか!」
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