中間ストーリー
クッバ城 ????????
クッバ城に潜入した正男たち。しかしどうやら道に迷ったようだ。
正男
「浩二‥‥‥‥‥‥
俺達さっきから同じ道を通っている気がしないか…」
俺達さっきから同じ道を通っている気がしないか…」
浩二
「確かに…そうかも。」
正男
「カルラもそう思うよな‥‥
なーカルラー。」
なーカルラー。」
カルラの返事は無かった。
正男
「あれっ?
キノヒオー、カルラ知らないか?」
キノヒオー、カルラ知らないか?」
キノヒオ
「そういえば見てませんね。
さっきまでは一緒にいたと思っていたのですが。」
さっきまでは一緒にいたと思っていたのですが。」
正男
「カルラ…ったくどこに行ったんだよ…
おーーーーい、カルラーーーーーー!
…いたら返事してくれーーーー。おーーーーーーい!」
おーーーーい、カルラーーーーーー!
…いたら返事してくれーーーー。おーーーーーーい!」
…しかし…やはりカルラの返事は無く…正男の声が虚しく響き渡るだけであった‥‥‥。
キノヒオ
「正男さん、先を急ぎましょう。
カルラさんならそのうち見つかるかもしれませんから。」
カルラさんならそのうち見つかるかもしれませんから。」
正男
「そうかなあ?そうだとしても俺はすごく心配だぜ?
もし俺がこんな城で一人迷子になったら…めっちゃ寂しい!!!」
もし俺がこんな城で一人迷子になったら…めっちゃ寂しい!!!」
浩二
「あれ…兄さん。
あそこに人影があるよ?」
あそこに人影があるよ?」
正男
「あっホントだ!
行ってみよう!!」
行ってみよう!!」
一方カルラは‥‥‥
クッバ城 地下牢
地下牢の中は薄暗く、通路の両脇の照明が、緑色に怪しく光っていた。
地下牢の中をある目的のために探索しているのはレジスタンスの少女、カルラ。
地下牢の中をある目的のために探索しているのはレジスタンスの少女、カルラ。
カルラ
「ふうっ…やっと着いたわ。ここがクッバ城の地下牢ね。
クッバは私たちがビーチ姫を助けに来たと思っているからここの警備は今手薄になっているはず…。」
クッバは私たちがビーチ姫を助けに来たと思っているからここの警備は今手薄になっているはず…。」
カルラ
「とりあえず城の地下牢に潜入するのは成功ね。
レジスタンスに反対されて、私一人でリオンを助けに行くのは少し心細かったもの。
…正男には悪いけど‥‥‥あなたたちを利用させてもらったわ。」
レジスタンスに反対されて、私一人でリオンを助けに行くのは少し心細かったもの。
…正男には悪いけど‥‥‥あなたたちを利用させてもらったわ。」
リオンとは、カルラのたった一人の弟の名だ。
そう、カルラがクッバ城に潜入した目的は、弟を助けるためであり、
そのために正男たちをおとりとして利用したのだった。
そう、カルラがクッバ城に潜入した目的は、弟を助けるためであり、
そのために正男たちをおとりとして利用したのだった。
カルラ
「さてっ…リオンを探すとしますか。」
カルラは地下牢の端の部屋から順番に見て回ることにした。
しかしどこを見ても人の気配が無かった。
しかしどこを見ても人の気配が無かった。
カルラ
「おかしい…
この地下牢…中を順に見ていっても誰もいない…。
もしかして今はもう使われていないのかしら‥‥‥。」
この地下牢…中を順に見ていっても誰もいない…。
もしかして今はもう使われていないのかしら‥‥‥。」
残る部屋は1つとなった。
カルラ
「これで最後ね…。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥!」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥!」
淡い期待を寄せて覗いたところ…カルラは思わず息を飲んだ。
カルラ
「リオン!」
中にいたのはカルラと同じ髪の色の少年、リオンだった。
彼がいた牢にはやはり鍵がかけられていた。
彼がいた牢にはやはり鍵がかけられていた。
リオン
「姉さん…もしかして姉さんなのか!?
もしかして僕を助けに来てくれたの?
もう僕のことなんか忘れたんじゃないかと思っていたよ。」
もしかして僕を助けに来てくれたの?
もう僕のことなんか忘れたんじゃないかと思っていたよ。」
カルラ
「忘れるわけないでしょ…弟であるあなたを…。
今助けてあげるわ!
とりあえず、鍵を探してみるわね!」
今助けてあげるわ!
とりあえず、鍵を探してみるわね!」
リオン
「姉さん…がんばって!」
その頃正男たちは…
クッバ城 大広間
正男
「カルラ!そこにいるのはカルラか!?」
正男は見つけた人影に近寄った。
浩二
「!
待って兄さん!」
待って兄さん!」
正男
「何だ!?」
浩二
「あれは‥‥‥カルラじゃない!」
正男
「何!?」
???
「ふっ。久方ぶりの客かと思えば…
ガキが2人にキノコが1匹とはねえ。」
ガキが2人にキノコが1匹とはねえ。」
この声はカルラの声ではなく男性の声であった。
正男
「誰だお前は!」
アクガル
「余の名はアクガル。我が王からの勅により…
貴様らの排除を命じられている。
貴様の名は確か‥‥‥『正男』と言ったか。」
貴様らの排除を命じられている。
貴様の名は確か‥‥‥『正男』と言ったか。」
正男
「何!なぜ俺の名を知っているんだ!?…あ!でも俺実は意外とモテたりするのかなー??
最近ちと派手に行動しすぎているからなー。有名人になるのは当然かぁ。」
最近ちと派手に行動しすぎているからなー。有名人になるのは当然かぁ。」
キノヒオ
「正男さん…
冗談はさておきこいつはかなりの強敵ですよ‥‥‥。
『魂の狩人』のアクガルといえばあらゆる生き物から魂を抜き取る
凶悪な人です!」
冗談はさておきこいつはかなりの強敵ですよ‥‥‥。
『魂の狩人』のアクガルといえばあらゆる生き物から魂を抜き取る
凶悪な人です!」
正男
「ひえええええええええぇぇぇ!
…ていうかなんでキノヒオこいつのこと知ってんだ?」
…ていうかなんでキノヒオこいつのこと知ってんだ?」
キノヒオ
「え!
ええと。
クッバ城に行く前に調べました!」
ええと。
クッバ城に行く前に調べました!」
浩二
「これはさすがにやばいかも。
僕たちだけでは勝てる気がしないね!
ということで僕は先に逃げるね!!」
僕たちだけでは勝てる気がしないね!
ということで僕は先に逃げるね!!」
浩二はそういうと全速力で逃げ出した。
アクガル
「ふん。
逃げても無駄だ!」
逃げても無駄だ!」
アクガルが右手を浩二の背中に向けると、
手の前に魔力で作り出された巨大な手が現れ、
その手は浩二の背後に追いつき、
アクガルが手を握ると同時に浩二は正男たちの目の前で意識を失い、
倒れた。
手の前に魔力で作り出された巨大な手が現れ、
その手は浩二の背後に追いつき、
アクガルが手を握ると同時に浩二は正男たちの目の前で意識を失い、
倒れた。
魔力で作り出された手は再びアクガルのところへ戻り、
アクガルの持っていた壺に吸収された。
アクガルの持っていた壺に吸収された。
正男
「浩二!」
正男とキノヒオはすぐさま浩二に駆け寄った。
キノヒオ
「…。
浩二さんは意識が無いようですね…。」
浩二さんは意識が無いようですね…。」
正男
「そ、そんな…
本当に魂を抜かれたというのか?」
本当に魂を抜かれたというのか?」
正男
「く…くそぉ。
浩二!目を覚ませ!
浩二いいいいいいいいいーーーーーーーーー!」
浩二!目を覚ませ!
浩二いいいいいいいいいーーーーーーーーー!」
正男の悲痛なる叫びは地下まで響き渡った。
クッバ城 地下牢
リオン
「姉さん!
今の声は!?」
今の声は!?」
カルラ
「…あれは正男の声ね。
そうだ。彼らには感謝しないといけないわね。」
そうだ。彼らには感謝しないといけないわね。」
カルラの顔には少し笑みが浮かんでいた。
リオン
「感謝だって?」
カルラ
「そう。私は彼らのおかげでここに来られたんだから。
彼らをおとりとして利用してね。」
彼らをおとりとして利用してね。」
リオン
「な…なんだって…!」
リオンは憤った。
リオンが一番嫌うものは裏切りや人を欺くことであったからだ。
そして彼は自分より他人を優先する性格でもあった。
リオンが一番嫌うものは裏切りや人を欺くことであったからだ。
そして彼は自分より他人を優先する性格でもあった。
リオン
「姉さん!それは間違っている!
僕は…他人の犠牲を承知で自分だけ助かるなんて…そんなの…
そんなの…嫌だ!」
僕は…他人の犠牲を承知で自分だけ助かるなんて…そんなの…
そんなの…嫌だ!」
カルラ
「な…何を言ってるの!?
あなたは自分が助かるのがうれしくないの!?」
あなたは自分が助かるのがうれしくないの!?」
カルラは想定外の答えに困惑した。
カルラ
「それに…私はここまで来るのにどれだけ苦労したのか
あなたには分からないのよ!
‥‥‥分からないのよ…
だから勝手なこと言わないで!」
あなたには分からないのよ!
‥‥‥分からないのよ…
だから勝手なこと言わないで!」
カルラは少し涙ぐみながら反論した。
リオン
「それは違う!じゃあ姉さんがやってることは…
姉さんがやってることはただの偽善だ!」
姉さんがやってることはただの偽善だ!」
カルラ
「ち…違う!
違うわ!
違うわ‥‥‥」
違うわ!
違うわ‥‥‥」
カルラの心の中で積み重ねてきたものが一気に崩れる音がした。
その後、2人の間に沈黙が生まれたが、その沈黙は地下牢に現れた第3者によって消されるのだった。
???
「ふぁ~あ…
あなたたちここで何してんの~?」
あなたたちここで何してんの~?」
カルラ
「だ…誰よ!
あなた!」
あなた!」
???
「あたしはルキア。
人が寝てたんだから責任とってくれる?
…ん?」
人が寝てたんだから責任とってくれる?
…ん?」
ルキアはリオンとカルラを見てあることに気付いたようだ。
ルキア
「もしかして…あなたたち‥‥‥兄弟?
ふふふっ…あははは。
これは傑作だわ!
さしずめ姉のあなたが弟を助けにはるばるやってきたというわけね!」
ふふふっ…あははは。
これは傑作だわ!
さしずめ姉のあなたが弟を助けにはるばるやってきたというわけね!」
カルラ
「な…何がおかしいのよ!」
ルキア
「あなたのその無謀な努力とかー?
まあどうでもいいけど。
あたしは眠いからまた寝まーすお休みなすゎああああい。」
まあどうでもいいけど。
あたしは眠いからまた寝まーすお休みなすゎああああい。」
カルラ
「ちょっ…ちょっと待って!
私はこの牢屋の鍵を探しているの。
あなたは何か知らないかしら?」
私はこの牢屋の鍵を探しているの。
あなたは何か知らないかしら?」
ルキア
「そいつは無理ね。
なぜかというとこの牢屋の鍵はあたししか知らないの。
見つけたければあたしを説得するしかないけれどそれは無理な話で…」
なぜかというとこの牢屋の鍵はあたししか知らないの。
見つけたければあたしを説得するしかないけれどそれは無理な話で…」
そこまで話を聞き終えると…カルラは拳銃を取り出し、
ルキアに銃口を向けて冷たくこう言い放った。
ルキアに銃口を向けて冷たくこう言い放った。
カルラ
「…これでも無理かしら。」
ルキア
「ふふっ。あははははは。
あなたも結構面白いことやるのね。
撃ちたいのなら撃ってみたら?
あたしを殺したら鍵の場所がわ・か・ら・な・くなるけどーっ!」
あなたも結構面白いことやるのね。
撃ちたいのなら撃ってみたら?
あたしを殺したら鍵の場所がわ・か・ら・な・くなるけどーっ!」
カルラ
「くっ…。」
カルラはルキアの足元をを狙って1発引き金を引いた。
ルキア
「へぇーっ。
脅しのつもり?
まあ本当は鍵はあたしが持ってるんだけどねー。」
脅しのつもり?
まあ本当は鍵はあたしが持ってるんだけどねー。」
ルキアは鍵を取り出してカルラを挑発した。
ルキア
「どう?
あたしを殺したら鍵を取れるわよ???
さあ、撃ってみたらどうなの???」
あたしを殺したら鍵を取れるわよ???
さあ、撃ってみたらどうなの???」
リオン
「姉さん!!
挑発に乗ったらだめだ!!」
挑発に乗ったらだめだ!!」
カルラ
「うっ…。
うわあああああ!」
うわあああああ!」
2発目。
3発目。
4発目。
カルラは3回引き金を引いた。
しかし、良心からまともに撃つことができず、手が震え、弾丸はすべて外れてしまった。
しかし、良心からまともに撃つことができず、手が震え、弾丸はすべて外れてしまった。
カルラ
「これで…終わりよ!!」
5発目。
カルラは目をつぶりながら引き金を引いた。
キーン
なぜか金属同士が当たったような音がした。
弾が当たった音にしては不自然。そう思ったカルラは再び目を開けた。
弾が当たった音にしては不自然。そう思ったカルラは再び目を開けた。
???
「ルキアも人遣いが荒いな…。
あと一歩遅ければこの小娘に殺されていただろうに…。」
あと一歩遅ければこの小娘に殺されていただろうに…。」
ルキア
「あら?
来てくれたのね!ブラックギア!」
来てくれたのね!ブラックギア!」
突如現れた男の名はブラックギア。
一見忍者のような恰好をしているがしゃべり方は現代風だ。
一見忍者のような恰好をしているがしゃべり方は現代風だ。
リオン
「だ…弾丸を刀で弾き返しただと‥‥‥。」
カルラ
「そんな…バカな‥‥‥。」
ルキア
「ブラックギア!もう一つお願いがあるの!
今目の前にいるこの子を殺して!
この子はあたしを本気で殺そうとしたのよ!お願い~。」
今目の前にいるこの子を殺して!
この子はあたしを本気で殺そうとしたのよ!お願い~。」
ブラックギア
「やれやれ…しょうがないな。
オレは無駄な殺生はキライなんだがな。」
オレは無駄な殺生はキライなんだがな。」
リオン
「姉さん!
…とりあえず逃げて!!!」
…とりあえず逃げて!!!」
カルラ
「リオン!
…分かったわ!そしてまた必ず助けに行くから!」
…分かったわ!そしてまた必ず助けに行くから!」
ブラックギア
「フッ…オレが逃がすとでも思うか?
喰らえ!!」
喰らえ!!」
ブラックギアは腕に取り付けた装置から手裏剣を3、4枚発射した。
カルラ
「わ!おっとっと…」
カルラは走りながら何とか手裏剣を避けた。
カルラ
「…ん?あれは何かしら?」
走る先にあったのはどうやらエレベーターのようだ。
カルラ
「あれを使えば上に行けるかもしれない…!」
カルラはブラックギアの攻撃を避けつつ、
なんとかエレベーターの中に入り、扉を閉めることができた。
なんとかエレベーターの中に入り、扉を閉めることができた。
カルラ
「とりあえず安心ね‥‥‥。」
カルラは安堵の息を漏らした。
だがエレベーターが動いている最中にもかかわらず
扉が少し開いた。
だがエレベーターが動いている最中にもかかわらず
扉が少し開いた。
ブラックギア
「言っただろ…オレが逃がすはずがないと!!」
なんとブラックギアは動いているエレベーターにしがみついて
超人的な腕力で扉を開いたのだった。
超人的な腕力で扉を開いたのだった。
ルキア
「ブラックギア!頑張って!」
リオン
「姉さん!」
カルラ
「こ…これでもくらえ!」
カルラはブラックギアの目の前で銃の引き金を引いた。
6発目。弾は切れた。
ブラックギア
「!!
ぐわあああああああ!!!」
ぐわあああああああ!!!」
ブラックギアは咄嗟に弾を避けたが…
バランスを崩し、まっさかさまに落ちてしまった。
バランスを崩し、まっさかさまに落ちてしまった。
ルキア
「ブラックギア!」
ブラックギア
「‥‥‥ルキア…!
オレは大丈夫だ…。」
オレは大丈夫だ…。」
ルキア
「ふん!…まあいいわ!
だって上にはアクガルがいるもの!
あいつに会えばあの子はどのみち死ぬわ!」
だって上にはアクガルがいるもの!
あいつに会えばあの子はどのみち死ぬわ!」
ブラックギア
「!
それも…そうだな…。」
それも…そうだな…。」
リオン
(姉さん…お願いだ…
死なないでくれ‥‥‥‥‥‥!)
死なないでくれ‥‥‥‥‥‥!)
クッバ城 大広間
正男
「浩二…すまない。俺がしっかりしていればこんなことにはならなかったんだ…。
くそ…もしかしてあの予言はこのことを意味していたのか‥‥‥?」
くそ…もしかしてあの予言はこのことを意味していたのか‥‥‥?」
キノヒオ
「浩二さん‥‥‥。」
???
(兄さん!)
正男
「ううう…誰かが俺に話しかけているぜ…」
浩二
(違うよ兄さん!僕だよ!)
正男
「なっ…浩二お前生きてて…フガホガ」
キノヒオはアクガルに怪しまれないよう慌てて正男の口を塞いだ。
キノヒオ
「とりあえずアクガルにばれないように話を聞いてみましょう!」
浩二
(僕はアクガルの気をそらすためにこの行動に移ったんだ。
ヤツは僕の魂を抜き取った気になっているけれど実際は僕が放った小バエの魂を抜き取ったんだ。
とりあえずここは今危険だ。僕はなんとかここで城を脱出する方法を考えているから
兄さんたちはアクガルの気をそらしていて!お願い!)
ヤツは僕の魂を抜き取った気になっているけれど実際は僕が放った小バエの魂を抜き取ったんだ。
とりあえずここは今危険だ。僕はなんとかここで城を脱出する方法を考えているから
兄さんたちはアクガルの気をそらしていて!お願い!)
正男
「な…ここまできて一旦引けというのか!?」
キノヒオ
「でも浩二さんの言ってることは正しいと思います。
この状況ではとてもじゃないですがアクガルに勝てそうもありません…。」
この状況ではとてもじゃないですがアクガルに勝てそうもありません…。」
正男
「クッ…分かった。
俺達はアクガルの注意を引き付けているから必ず脱出方法を考えておくんだぜ!浩二!」
俺達はアクガルの注意を引き付けているから必ず脱出方法を考えておくんだぜ!浩二!」
アクガル
「貴様ら…さっきから何をこそこそと話している。」
正男
「何って…てめえには関係ないことだ!
アクガル!これを喰らえ!!スマッシュパーーーーンチ!!」
アクガル!これを喰らえ!!スマッシュパーーーーンチ!!」
アクガルは攻撃をひらりと身をかわした。
アクガル
「ふっ…その程度の攻撃。余には当たらんよ。
まして魔道具で作り出した魔法など…余に効くはずがない。」
まして魔道具で作り出した魔法など…余に効くはずがない。」
正男
「魔道具?なんだそれは!」
アクガル
「まさか…そンなことも知らずに今まで使ってきたというのか?
…人間が魔法を使う方法には2種類ある。
1つは貴様のように魔道具を使用する方法。
そしてもう1つ目は魔力を体内で合成し魔法を使用する方法だ。」
…人間が魔法を使う方法には2種類ある。
1つは貴様のように魔道具を使用する方法。
そしてもう1つ目は魔力を体内で合成し魔法を使用する方法だ。」
正男
「魔力を体内で合成する?
てめえさっきから何言ってんのか分かんねえぞぉ!(怒)」
てめえさっきから何言ってんのか分かんねえぞぉ!(怒)」
キノヒオ
(正男さん!ここは彼に合わせておきましょう!
時間稼ぎのチャンスになります!)
時間稼ぎのチャンスになります!)
正男
(おお!その通りだな!
ナイスキノヒオ!)
ナイスキノヒオ!)
アクガル
「…余のように修行を積み魔力を体内で合成できる人間は
ある程度自由に魔法が使えるが、
貴様のように体内で魔力を合成できない奴は
魔道具に頼るしか魔法を使える方法がないのだよ。
しかも魔道具はあらかじめ限定された魔法しか使えず…
魔力もあまり多くためておくことはできない。」
ある程度自由に魔法が使えるが、
貴様のように体内で魔力を合成できない奴は
魔道具に頼るしか魔法を使える方法がないのだよ。
しかも魔道具はあらかじめ限定された魔法しか使えず…
魔力もあまり多くためておくことはできない。」
正男
「な…何が言いたいんだよ。」
アクガル
「貴様がさっき繰り出した一撃…見事だった。
…だがさっきの一撃によって魔道具は魔力切れを起こしたようだ。
…つまり今の貴様は魔法がもう使えない。」
…だがさっきの一撃によって魔道具は魔力切れを起こしたようだ。
…つまり今の貴様は魔法がもう使えない。」
正男
「何いいいいいいィィィィ!!?」
浩二
(こいつはちょっとやっかいだぞ…。
僕の考えでは兄さんがスマッシュパンチを使用する前提で脱出計画を練っていた…。
しかし!兄さんがスマッシュパンチを使えないとすると‥‥‥)
僕の考えでは兄さんがスマッシュパンチを使用する前提で脱出計画を練っていた…。
しかし!兄さんがスマッシュパンチを使えないとすると‥‥‥)
正男
「キノヒオー!こいつはかなりやばいよー!
今の状況俺の人生ワースト1確定しちゃったよおおおおお!!」
今の状況俺の人生ワースト1確定しちゃったよおおおおお!!」
キノヒオ
「打つ手…なしですか。最悪の状況ですね…。」
正男
「うわあああ!キノヒオまで諦めちまったああああ!
どうすればいいんだよおおおおお!!」
どうすればいいんだよおおおおお!!」
正男が再び嘆き喚いていると…
大広間の扉が大きな音を立てて開いた。
大広間の扉が大きな音を立てて開いた。
カルラ
「ハァ…ハァ…とりあえず間に合ったようね!
正男…今助けるから!」
正男…今助けるから!」
キノヒオ
「カルラさん!ここに来ては危険です!
すぐに逃げてください!」
すぐに逃げてください!」
カルラ
「へ…」
アクガル
「クックック…また哀れな子羊が一匹お出ましになさったか。
良かろう…魂を頂戴する。」
良かろう…魂を頂戴する。」
正男
「カルラーーーー!
逃げてーーーー!!」
逃げてーーーー!!」
カルラ
「でも…」
アクガル
「ふん…。」
アクガルは再び右手を突き出したと思いきや…
なんと浩二の方へ向け、浩二の魂を抜き取ってしまった。
なんと浩二の方へ向け、浩二の魂を抜き取ってしまった。
浩二
「兄さん‥‥‥。」
浩二は本当に息を引き取ってしまった。
アクガル
「またちょこまかと動き回られたら魔力を無駄に消耗してしまうからな…。
一番大人しい緑帽子の魂を頂戴した。」
一番大人しい緑帽子の魂を頂戴した。」
正男
「ギャーーーー!
なんで…なんで浩二が!
浩二がまだ生きてるって知ってんのーーーー!!(激怒)」
なんで…なんで浩二が!
浩二がまだ生きてるって知ってんのーーーー!!(激怒)」
アクガル
「心音だよ…。分かるかね?
余は今ここにいる全ての生物の心音で生死を判別しているのだ。
さっきは間違って小バエの魂を頂戴したがなぜか緑帽子も倒れたのでな。
何か謀ってるのかと思い今までずっと観察していたのだ。
こことないタイミングでまた魂を頂戴するためにもな。
さて…そろそろ余は退屈になってきた。
貴様ら全員の魂を頂戴するとするか…。」
余は今ここにいる全ての生物の心音で生死を判別しているのだ。
さっきは間違って小バエの魂を頂戴したがなぜか緑帽子も倒れたのでな。
何か謀ってるのかと思い今までずっと観察していたのだ。
こことないタイミングでまた魂を頂戴するためにもな。
さて…そろそろ余は退屈になってきた。
貴様ら全員の魂を頂戴するとするか…。」
正男
「なんだってー!
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤ‥‥‥
そうだ!スマッシュパーンチ!
…あれ?スマッシュパーンチ!スマッシュパーンチ…」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤ‥‥‥
そうだ!スマッシュパーンチ!
…あれ?スマッシュパーンチ!スマッシュパーンチ…」
キノヒオ
「さっきアクガルが魔力切れでもう使えないって言ってたじゃないですか……。
しかし魔力切れにしては早い気もしますが。」
しかし魔力切れにしては早い気もしますが。」
アクガル
「ああ…。
それはさっき…かわしたついでに魔力も頂いていたのだ。
こちらとも魔力は節約したいのでな。」
それはさっき…かわしたついでに魔力も頂いていたのだ。
こちらとも魔力は節約したいのでな。」
正男
「ガッビーーーン!
俺達は終わりだああああああ!!」
俺達は終わりだああああああ!!」
正男が嘆いている間にもアクガルの魔力で作り出された手が
正男に向かって襲いかかってきた!
正男に向かって襲いかかってきた!
カルラ
「正男…危ない!
‥‥‥!」
‥‥‥!」
正男
「ぐああああああ!!」
正男
「…ってアレ?俺は無事??
そうだ!カルラは…」
そうだ!カルラは…」
なんとカルラは正男を自分の身を挺して守ったのであった!
カルラ
「正男…私はあなたに謝らなければいけない…。
私は正男を騙していたの…
クッバ城に行く際には当然アクガルのことは知っていて…
あなたたちには私の身代わりになってもらおうとしていたのよ…
…私の…弟を助けるために。」
私は正男を騙していたの…
クッバ城に行く際には当然アクガルのことは知っていて…
あなたたちには私の身代わりになってもらおうとしていたのよ…
…私の…弟を助けるために。」
カルラは正男の身代わりになることで自分の罪を償おうとしたのだった。
正男
「な…何言ってんだばっきゃろーーー!!
俺達なんかよりそりゃあ自分の弟の方が大事に決まってるだろ!
俺だって弟がいるから
カルラの気持ちがよーーく分かるぜ!!
カルラは…確かに俺達を騙(かた)ってたかもしれんが俺は…
正直に話してくれたことが嬉しいぜ!
だから、お前を許す!」
俺達なんかよりそりゃあ自分の弟の方が大事に決まってるだろ!
俺だって弟がいるから
カルラの気持ちがよーーく分かるぜ!!
カルラは…確かに俺達を騙(かた)ってたかもしれんが俺は…
正直に話してくれたことが嬉しいぜ!
だから、お前を許す!」
カルラ
「…許してくれてありがとう…
そうだ…ここに…
私の車のリモコンスイッチがあるわ…。
これを押せば…
私の車が駆けつけてくれる…
そのあとは…
緊急スイッチを押せば‥
‥‥に自動運転で着くようになっているわ‥‥‥。
じゃあ‥‥‥
健闘を祈るわね‥‥‥」
そうだ…ここに…
私の車のリモコンスイッチがあるわ…。
これを押せば…
私の車が駆けつけてくれる…
そのあとは…
緊急スイッチを押せば‥
‥‥に自動運転で着くようになっているわ‥‥‥。
じゃあ‥‥‥
健闘を祈るわね‥‥‥」
正男
「カルラ…しっかりしろ!
カルラァァァァーーーーーーーーー!」
カルラァァァァーーーーーーーーー!」
キノヒオ
「正男さん!
リモコンスイッチ!」
リモコンスイッチ!」
正男
「あっ!そうだった!押してみるぜ‥‥‥ポチッ。」
正男がスイッチを押すやいなやクッバ城全体に地響きが起こり…
その音の源はこの大広間に近づいていることが分かった。
その音の源はこの大広間に近づいていることが分かった。
アクガル
「何だこの音は…。まあいい。
次は貴様らまとめて魂を頂戴する‥‥‥!
ぐああぁぁ…なんだこれは‥‥‥」
次は貴様らまとめて魂を頂戴する‥‥‥!
ぐああぁぁ…なんだこれは‥‥‥」
アクガルはカルラの車から飛び出した拳によって
天上に叩きつけられた。
天上に叩きつけられた。
キノヒオ
「正男さん!
カルラさんの車が着ました!
ついでにアクガルもぶっとばしてくれたみたいです!!」
カルラさんの車が着ました!
ついでにアクガルもぶっとばしてくれたみたいです!!」
正男
「キノヒオ!カルラを車の中へ運んでくれ!
俺は浩二を運ぶ!」
俺は浩二を運ぶ!」
キノヒオ
「了解です!」
アクガル
「ま…待て。
逃がしはしないぞ‥‥‥」
逃がしはしないぞ‥‥‥」
正男
「キノヒオ!全員乗ったか?」
キノヒオ
「はい!
…しかし乗ったはいいですが
カルラさんの言ってた緊急スイッチはどこにあるんでしょうかね…。」
…しかし乗ったはいいですが
カルラさんの言ってた緊急スイッチはどこにあるんでしょうかね…。」
正男
「んなもん分かんねえよ!
適当にいじればどれかは1つ当たるんじゃね!」
適当にいじればどれかは1つ当たるんじゃね!」
キノヒオ
「壊さないでくださいよ…。」
正男
「だいじょーーぶ!分かってる!
俺に任せとけって!」
俺に任せとけって!」
正男は車の中のありとあらゆるスイッチを押し続け、
そのなかのあるスイッチを押した瞬間車のエンジンがかかったのが分かった。
そのなかのあるスイッチを押した瞬間車のエンジンがかかったのが分かった。
正男
「よし!見つかった!
あとは脱出するだけだってわわわわわ…」
あとは脱出するだけだってわわわわわ…」
キノヒオ
「なんかこの車…ちょっとやばい気が。」
その瞬間…カルラの車は猛スピードで走りだした。
前方に塞がる城の壁は特製アーム(拳)で破壊し、ついに城を脱出した。
前方に塞がる城の壁は特製アーム(拳)で破壊し、ついに城を脱出した。
アクガル
「クッ…。逃がしたか‥‥‥」
正男
「こっ!この運転!ちょっとひどすぎやしないか!
さっ!さっきから!揺れてばっかりなんだけど!」
さっ!さっきから!揺れてばっかりなんだけど!」
キノヒオ
「確かに!ひどすぎますね!
あ!城を今!脱出したようですよ!」
あ!城を今!脱出したようですよ!」
正男
「やっ!やったぜ!
…しかし!この車は!どこへ!向かってるんだ!」
…しかし!この車は!どこへ!向かってるんだ!」
キノヒオ
「分かりま!せん!
あ!喜んでる場合ではありません!正男さん!前!前!」
あ!喜んでる場合ではありません!正男さん!前!前!」
正男
「ん?ぎゃああああ!」
車が向かっているのは謎の建造物であった。
車はその建造物にぶつかり‥‥‥停止した。
車はその建造物にぶつかり‥‥‥停止した。
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